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猫に魚肉ソーセージを与えても大丈夫なの?
猫に魚肉ソーセージをみせると食べたそうにすることがあります。
なぜなら、魚肉ソーセージは魚のすり身を主原料として作られているからです。
魚肉ソーセージに使われている魚の主流はスケソウダラが多いです。
しかし、最近ではマグロやイワシ、アジやサバなどの赤身魚も使われていることも。
魚なら猫に与えても大丈夫そうですが、それは間違いです。
魚肉ソーセージは加工するために、たくさんの材料を使っています。
その中に猫の体に良くないものが含まれているのです。
出典:Amazon
どの材料が猫の体に良くないのでしょうか、解説をしていきます。
魚肉ソーセージを猫に与えてはいけないわけ
猫に魚肉ソーセージを与えてはいけない理由は3つ
- 塩分がたくさん入っている
- 香辛料が含まれている
- 玉ねぎやオニオンエキスが含まれている
塩分がたくさん入っている
魚肉ソーセージは「練り物」です。
練り物は塩分が多く含まれています。
その中でも魚肉ソーセージは特に大量に含まれています。
なんと、魚肉ソーセージ1本(70g)当たりでは塩分1.4g。
猫の種類や体格にもよりますが、適当な摂取量は「2~3g」
魚肉ソーセージをおやつとして与え、またご飯も食べるわけですから猫の摂取量ならすぐに超えてしまいます。
猫にとって塩分は大敵。
知らずに魚肉ソーセージを与え続けると、慢性的な命にかかわる病気になることもあります。
- 腎臓病
- 高血圧
- 心臓病
腎臓病
腎臓には、余分に摂取した尿とナトリウムを一緒に排出する働きがあります。
塩分をとりすぎると腎臓の動きが活発になり負担がかかり腎臓機能が低下します。
特に猫は腎臓病になりやすく、1度機能が落ちてしまうと回復させことができません。
年をとるにしたがって腎臓障害が引き起こしやすいくなります。
15歳以上の80%以上が腎臓病になっていると言われていますので気を付けたい病気です。
高血圧
塩分を取りすぎると、体の中の塩分濃度を下げるためにたくさんの水を飲み、水分を体内にため込む必要があります。
しかし、水分をたくさん蓄えようとすると血圧が上昇し高血圧になりやすくなります。
心臓病
心臓は、、心筋によって拡張と収縮を繰り返すことで、全身の血液を取り込み送り出すポンプのような働きをしています。
しかし、塩分に含まれるナトリウムを摂取すると体内に水分をためる性質があり、水分が増えると血液の量が増します。
そのためより多くの血液を循環するために、力がより一層必要になり心臓に負担がかかります。
負担が増すと心筋が厚くあり肥大型心筋症を起こします。
肥大型心筋症は、心筋が分厚くなり心室が狭くなると同時に、柔軟性が低下するため心臓がうまく膨らむことができなくなり、その結果全身に十分な血液を送ることができなくなります。
肥大型心筋症は最悪突然死を招くとても怖い病気です。
また塩分の取りすぎは、尿路結石にもなりやすいので注意が必要です。
香辛料
魚肉ソーセージには、たくさんの香辛料が含まれています。
- こしょう
- ジンジャー
- オールスパイス
- ナツメグ
- コリアンダー
- シナモンなど
魚肉ソーセージに含まれている香辛料の中で、コショウは、猫の内臓を強く刺激して、嘔吐など胃腸障害を招きます。
また、シナモンは、香りの成分に含まれているクマリン猫が、大量に摂取すると、肝障害になりやすいといわれています。
少し食べたからと言って大きなすぐに症状がでるようなことはありませんが、猫はもともと肝臓が強い動物ではないので注意が必要です。
添加物
魚肉ソーセージの原材料にはたくさんの成分が含まれています。
着色料 (赤色102号) | 肝機能低下や赤血球の減少がみられたという報告がある アメリカでは使用が許可されていない。 |
着色料 (赤色106号) | 肝機能障害や発がん性の危険性があると疑われている。 使用が許可されているのは日本だけ。 |
亜硝酸ナトリウム | 傷んだ時に黒ずみを抑制する発色剤の役割があり、わりと毒性の強い食品添加物 |
リン酸ナトリウム | 剰に摂取しすぎると、骨粗鬆症や尿路結石になる可能性あり |
注:着色料に自然のものを使ったり、無添加の商品も販売されています。
しかし総合的にみても猫には与えないほうがよいです。
玉ねぎ
魚肉ソーセージには「玉ネギ」や「オニオンエキス」が入っているものがあります。
よく犬に玉ねぎは食べさせたら危険といいますが、猫も玉ねぎは食べさせてはいけません。
玉ねぎに含まれる「有機チオ硫酸化合物」を猫が摂取すると、赤血球が破壊され「免疫介在性溶血性貧血」を発症する確率がとても高いからです。
そして厄介なことに、有機チオ硫酸化合物は、加熱調理をしても毒性が消えません。
たまねぎ本体だけではなく、玉ねぎを含んだ料理すべてに対しての注意も必要です。
免疫介在性溶血性貧血(以下IMHA)は自分の免疫により赤血球を壊してしまう疾患です。通常、免疫は体内にウイルスや細菌などの病原体や異物が入ってきた時に、それらを排除するために働く自己防御システムです。しかし、IMHAになると、免疫が体内にある赤血球を異物と誤認識してしまうために攻撃し貧血になってしまいます。
赤血球膜に対しての免疫が作用すると赤血球が破壊され溶血を引き起こします。赤血球は肺からの酸素を体内の隅々の細胞に運び供給する役割を担っていますが、溶血が起こると赤血球の数が減少するため、酸素運搬能力が低下し、全身が酸欠状態に陥ってしまいます
魚肉ソーセージだけでなく、玉ねぎは絶対に食べさせないようにしましょう。
このように、魚肉ソーセージには、猫が食べたら危険または、よくないものが含まれているので与えてはいけません。
どうしても猫が魚肉ソーセージを与えたいときは、猫用の魚肉ソーセージが販売されています。
魚肉ソーセージを食べてしまったら?

まとめ
この記事では、魚肉ソーセージを与えてはいけない理由について解説をしてきました。
- 塩分がたくさん入っている
- 香辛料が含まれている
- 玉ねぎやオニオンエキスが含まれている
特に玉ねぎは危険。
魚肉ソーセージは、猫が食べるようには作られていません。
食べさせるなら猫用を与えましょう。
また、匂いの強いおやつを与えるのも手です。
魚肉ソーセージの置きっぱなしは、猫の健康被害がでるだけでなく、金具を誤飲する可能性もあるので危険です。
必ず目に届かないところに置いておいてくださいね。